2025/04/22骨董品買取BLOG
優しさに包まれた出会い――亀文堂の鉄瓶をお譲りいただきました
こんにちは、名古屋骨董品の買取専門店です。
このたび、私たちはとても心あたたまる出会いとともに、貴重な一品「亀文堂の鉄瓶」をお譲りいただきました。
ご依頼主は、穏やかな雰囲気の老夫婦。
ご自宅に伺うと、丁寧にお掃除された和室で、にこやかに私たちを迎えてくださいました。
お譲りいただいた鉄瓶を大切そうに両手で包みながら、ご主人が静かに語ってくださいました。
「これはね、まだ若いころ、二人で骨董市を歩いていた時に見つけたものなんです。亀文堂という名工の作と聞いて、わからないなりに惹かれてね。何十年もずっと一緒にいました。」
奥様も微笑みながら、「使うことはほとんどなかったけれど、部屋の中にあるだけで落ち着くような、不思議な安心感があったのよ」と、優しく続けてくださいました。
そんな大切な思い出が宿る鉄瓶を、「これからは誰かの手で、また愛されてほしい」と言ってお譲りくださったご夫婦の優しさに、私たちも胸が熱くなりました。
お譲りいただいた鉄瓶は、「亀文堂造」の銘が蓋裏にしっかりと刻まれた逸品。
亀文堂は、明治時代に活躍した鋳物師・波多野正平(初代亀文)を祖とする名流派で、南部鉄器の中でも特に芸術性の高い作品群を生み出したことで知られています。
細やかで洗練された文様、滑らかで気品ある鋳肌、そして鉄器とは思えないほど優雅な佇まい――。
その完成度の高さから、国内外の愛好家たちに長く親しまれ、現代でも高い評価を受けている作家です。
今回の鉄瓶にも、胴部に繊細な植物文様が施されており、時を経た鉄の風合いが一層深みを加えています。
保存状態も申し分なく、骨董としての価値も非常に高いお品物でした。
骨董品とは、単なる古い道具ではなく、そこに込められた人の“暮らし”や“想い”が息づいているものです。
今回のような出会いを通じて、改めて私たちは、その背景ごと丁寧に受け取る姿勢の大切さを強く感じました。
名古屋骨董品の買取専門店では、品物の真の価値を見極めると同時に、その想いも大切に扱わせていただいております。
もし、お手元に「これは価値があるのか分からないけれど、手放すか悩んでいる」という品物がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
出張・宅配いずれも承っておりますので、全国どこからでもご依頼いただけます