2025/11/20骨董品買取BLOG
紫砂壺の本物と偽物の見分け方 ― 骨董買取の専門家が解説
紫砂壺の本物と偽物の見分け方 ― 骨董買取の専門家が解説
中国茶文化を語るうえで欠かせない存在が「宜興・紫砂壺」。日本の煎茶文化でも愛好家が多く、東海地方でも査定依頼が増えています。しかし近年は、偽物や大量生産品も多く、本物を見分けるには一定の知識が必要です。
1|紫砂泥(しさどろ)の質感と肌の違い
紫砂壺の価値は「泥」で決まると言われるほど、泥質は最重要ポイントです。
本物の紫砂泥の特徴
- マットで落ち着いた質感
- 指に吸いつくような乾いた手触り
- 砂粒のような微細なザラつき
- 光を反射しすぎない自然な色味
- 使うほど「養壺」で艶が増す
偽物によく見られる特徴
- 樹脂入りの不自然なテカリ
- ツルツルしすぎる表面
- 重量のバランスが極端
- 均一で“生きていない”色
2|音で判別する「金属音テスト」
紫砂壺は独自の鉱物成分を含むため、指で軽く叩くと「キンッ」と澄んだ金属音が出ます。
本物の音
- 澄んだ高音でよく響く
- 軽やかで伸びる音
偽物の音
- 「コトッ」「ボスッ」という鈍い音
- 樹脂や添加物の影響で響かない
3|蓋と口縁の“吸いつき”を確認する
本物は精密な手技で作られているため、蓋を回すとスーッと吸いつくような気密性があります。
本物
- 蓋がピタッと合う
- ガタつきがない
- 気密性が高い
偽物
- 蓋がガタつく
- すき間が生じる
- 回すと引っかかりがある
4|泥色の自然さ(朱泥・紫泥・段泥など)
紫砂壺の色は非常に多彩ですが、本物は自然で落ち着きのある発色です。逆に、鮮やかすぎる朱色や均一すぎる色は偽物の可能性が高いです。
5|刻印(銘)の深さと息遣いを見る
紫砂壺には底・蓋裏・持ち手側などに刻印があります。ここも重要な判別ポイントです。
本物の刻印
- 深さが均一で線に自然な強弱がある
- 手彫り特有の“息遣い”が見える
- 側款(側面刻印)も美しい
偽物の刻印
- 浅く機械的
- 線が均一すぎる
- コピー印で生命力がない
6|注ぎのキレ、湯切れの良さ
茶壺としての機能性も判別材料です。
本物
- 湯切れが鋭くタレない
- 注ぐと湯がまっすぐ伸びる
- 止めるとピタッと止まる
偽物
- 湯がタレる
- 口がゆがんでいる
- 重心が悪く扱いにくい
7|「証書」よりも“実物そのもの”が重要
紫砂壺の世界では証書や箱書きの偽造が非常に多いため、証書の有無よりも実物を重視して鑑定します。
・泥質
・刻印
・焼成の状態
・仕上げの技術
これらが価値を左右します。
紫砂壺は本物なら“一生育つ”価値ある工芸品
紫砂壺は使うほど茶の成分が沁み込み、深い色艶へと育つ「養壺文化」を持っています。唯一無二の個性が生まれるため、本物の価値は年々高まり続けています。
名古屋・東海地方で紫砂壺の査定をご希望の方へ
紫砂壺は価格帯が非常に広く、無銘の壺から巨匠作品まで幅があります。
- 無銘でも泥質が良ければ高額
- 顧景舟など巨匠作品は数百万円〜数千万円
- 大量にある場合も一括査定可能
「実家整理で見つかった壺の価値を知りたい」「本物か不安」という方もお気軽にご相談ください。
